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新型コロナウイルスについての記事

新型コロナウイルス感染についての記事からです(日刊ゲンダイ)

お口をきれいに保つことが感染予防に役立つ意味がよくわかります。ちょっと長いのですがお読みください

口は、ウイルスなどの病原体が入ってくる入り口だ。口を健康に保つことは、感染症対策に大いに役立つ。コロナ対策としても知っておきたいことを、大阪大学歯学部付属病院顎口腔機能治療部の阪井丘芳教授に聞いた。

厚労省によれば、PCR検査は現在、鼻咽頭ぬぐい液、唾液ともに高い一致率を示すことが分かっている(無症状者の場合。有症状者は発症から9日以内)。

「コロナウイルスは、受容体と考えられている『ACE2』に結合し、ヒトの細胞へ侵入します。ACE2は肺だけでなく、体のさまざまな細胞に発現していますが、唾液腺にもかなり存在することが大掛かりなデータベースで判明しています。つまり、唾液腺にコロナがまず感染し、唾液腺から分泌した唾液を介して体内に拡散している可能性があるのです」

そこで重要になってくるのが「むせる力」だ。唾液などが誤って気管に入ると、通常はむせたり咳き込んだりして気管外に唾液を吐き出す。ところが高齢になってむせる力が衰えると、それができない。これを不顕性誤嚥という。

「コロナウイルスを含む唾液が気管にとどまって気管がコロナウイルスに感染し、ウイルスが肺にまで広がり、肺炎を起こしてしまうのです」

高齢者は誤嚥性肺炎で命を落とすリスクが高いが、これは不顕性誤嚥を起こしやすいからだ。同時に、不顕性誤嚥でコロナへの感染・発症率も高くなると考えられる。

「よく噛んでしっかりのみ込んで喉の筋力が低下しないよう努め、唾液のウイルスを少しでも減らすため、うがいや歯磨きなどの口腔ケアを徹底して行うことが必要です」

徹底した口腔ケアが肺炎やインフルエンザの発症率を抑えることは、複数の研究で証明されている。コロナに関してはまだ研究がなされていないものの、同様の結果が期待できる。

「コロナによる肺炎には、可能性として2つのケースが考えられます。ひとつは、コロナウイルスそのものが肺に入り、肺炎を起こすケース。もうひとつは、コロナウイルス感染で肺が弱まっているところへ、別の細菌が感染し、肺炎を起こすケースです。また、2つが複合しているケースも考えられます」

歯周病などで口腔粘膜に病原体となる細菌が多いと、それだけ肺炎のリスクが高まる。徹底した口腔ケアが必要であることは前述の通り。自分で行う歯磨き、歯間ブラシやフロスによる歯と歯の隙間の汚れ除去に加え、定期的な歯科医院受診を。想像以上に歯周病が進んでいる場合もあるので、歯科医のチェックは不可欠だ。

さらに、唾液の量にも注意すべき。

「唾液には基本的に自浄作用があり、唾液の量が減るとウイルスや細菌の数が爆発的に増えます。これを誤嚥すれば、肺炎を起こしやすくなります。コロナウイルスに関しては、唾液がどの程度ウイルスを不活性化させるのか、どのくらいのウイルス量で感染するのかは分かっていません。しかし、唾液分泌を増やすことで、口腔内の自浄作用を高め、コロナウイルスと細菌の複合感染が起こる確率を低くすることが期待できます」

「よく噛む」「口を動かす」などの唾液腺を刺激する行為が唾液量を増やす。

降圧薬や睡眠薬などの薬の副作用、あるいは糖尿病などの病気やコロナの感染自体で唾液量が減少していることもあるので、口の乾きが明らかなら医師に相談を。

「就寝中は唾液の分泌が減り、口の中の自浄作用が落ちます。そのため、就寝中は特に誤嚥性肺炎を起こしやすい。寝る前の口腔ケアにはより力を入れるべきです」

コロナとの付き合いはこれからも長くなりそう。できることをひとつずつやっていくしかない。

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